受験のスタートは11月
現代国語のジャンプアップを狙うなら、冬休みではなく11月に動き出す。
来年度に受験を控える中高2年生の多くは、本格的な受験勉強のスタートを、年末年始の冬休みか、その後の春休み期間にきるそうです。
「本格的」の定義には個人差がありますが、要するに受験を意識した勉強に取り組むということ。ある意味、当然の話です。
ですが、志望校のレベルをジャンプアップさせたいのであれば、少なくとも「現代国語」においては、遅くても11月にはスタートしてほしいのです。
なぜ「現代文」が、秋口に間に合わないのか
現代文は、普段使っている言葉。だから、そんなに焦る必要はない──そう思うかもしれません。しかし、大学受験で出典となるような文章は、実は今時の子どもたちの多くは、学校の教科書ぐらいでしか目にしていません。
特に、哲学的な論説文、科学的な解説文、学者や作家の随筆文などは、よほどの読書好きでもない限り、読むことはないでしょう。
「なんとなく」で点が取れていた生徒ほど、受験期に伸び悩む。
実は、「なんとなく」で国語のテストでそこそこの成績をとってきた人が、受験期に模試で成績が伸び悩んでしまうのは、こうした「読み慣れない現代文」への対応をしないまま──そこそこ成績は取れるので気にならないのですね──過去問などの受験用の文章にぶつかり、対応できないケースが多いのです。
漢字や指示語の問題では点が取れる。でも、文意を問う問題になると、手も足も出ない……。これは文系のみならず、理系学部に進む受験生にとっても、致命的な弱点になってしまいます。
秋の一手として、岩波文庫を開く
「受験」と意気込みたくない──という生徒さんや保護者さんに私がアドバイスするのは、問題集ではなく、冬休みのあいだに岩波文庫を何冊か読んでおいて欲しいということ。
受験にもよく使われる代表的テーマの本を、少しだけ紹介しておきます。
秋に読んでおきたい 一冊たち
- 『死の思索』 松浪信三郎
- 『日本文化の問題』 西田幾多郎
- 『日本人とすまい』 上田篤
- 『歴史的環境』 木原啓吉
- 『森の力』 浜田久美子
焦って過去問にあたるより、この時期だからこそ、良質な文章の呼吸に慣れる時間を。それが、冬からの追い込みを、質の違うものに変えてくれます。