小論文との付き合い方
2024.1.3 担当:羽山
ここ数年、入試においては、従来の一般選抜に対して、総合型選抜、あるいは指定校選抜の受験が増える傾向にあります。
そうなると、重要性を増してくるのが「小論文」というものですね。
この「小論文」もちろん学校によって出題は様々なパターンがありますが、意外と対策というと難しいものがあります。
特に「国語(現国)が得意だから」という生徒が、案外苦戦することもあるんですね。
なぜかといえば、小論文というのは、文章の巧さを問うものではなく、受験生の思考、活動の論理性を示すものだからです。
もちろん、原稿用紙の使い方だとか、誤字脱字をなくすといった当たり前のことから学ぶことにはなりますが(意外とこれができない人が多いんです)、大事なのは、自分の考えを過不足なく相手に伝えることができるかどうかという部分になります。
よくニュースなどで事件の犯人が「ムシャクシャしていた」「イライラしていた」と事件の動機を話しているのを聞くことがありませんか?
この「ムシャクシャ」だとか「イライラ」っていうのは、自分が持っている不満や鬱憤を言語化できず、言語化できないから余計に増幅させ、最終的には突発的な行動に出てしまうことが多いわけです。
逆に、「ムシャクシャ」や「イライラ」を言語化することができれば、解決策や対応力も生まれてきて、自己解決ができるわけですね。
つまり、小論文というものは、文章力そのものというより、考えを言語化できるかどうかという部分を見ることが多いわけです。
そして、この「言語化能力」というのは、ものすごく個人差が大きいのです。
いわゆる高偏差値の進学校に通っている生徒でも、これが本当に弱い人が多い。
よく「センス」という言葉を使いますが、持って生まれた資質ではなく、育ってきた環境で養っていくものなので、少しでも早く身に着けさせることが大切になってきます。
例えば、幼児期におもちゃをねだった時に、「どうしてそのおもちゃが欲しいの?」と聞かれてきた子供は、必死に理由を考えますよね。最初は「どうしても!」と強弁するかもしれませんが、そこを許さないで接すると、嫌でも理由を考える。これが「論理性」なんです。
受験の小論文は「どうしてうちの大学に来たいの?」と聞かれているようなものです。
そこに、相手が納得、あるいは歓迎するような文章をあてることができるか?
そのためにも、早いうちから進路について考えておくことは大事ですね。
なるほど!